夏の小旅行

2003.08.21.

霧が少し薄くなって

夏の時

  その朝は霧が立ちこめていました。着いたときには、波の音がするたけで・・・。
  
  25年ぶりに来てみました、この浜へ。
  夏の光に包まれていた青い空と海、それがこの海と浜の思い出です。

  今朝の霧の中から現れてくる海の風景は、記憶の彼方にあったものを呼び出すようです。そして、霧が晴れる間に、見せてくれた海の輝き、ゆれる海面、寄せる波、記憶の奥に隠れていた思い出の情景に重なりました。
  霧が晴れていく中、浜をゆっくりと歩きます。少し行くと浜に古い杭が並んでいる場所があります、ここに桟橋のようなものがあったのでしょうか。作られ朽ちていったのでしょうか、そういえば灯台の断崖の形も変わっていました。歳月を感ぜずにはいられない風景でした。
  
  霧がすっかりはれる頃、日射しが強くなりはじめ、浜を歩く人が少しずつ増えてきました。これからパラソルや浮き輪をもった人がシートを広げ始め、いつもの夏の一日が始まるのですね。思い出の夏の海もたくさんの人が楽しむ海でした。

浜に
拡声器が取り付けられていました。いわき市平薄磯海岸

山の時

  ふと、通り過ぎた道の傍ら、夏休みの学校の門の前、ひまわりが咲いていました。とても懐かしい感じがして、そこまでゆっくり歩いてもどります。セミの声に包まれ学校まで歩くなか、この道をゆく子供たちの夏の登校風景が頭にうかびました。そのとき胸のあたりが・・・。
  
  日中の誰もいない校庭は、日射しと暑さで風景が揺れています。手前の花壇に植えられた草花は、この暑さの中でも萎れることもなく花をつけていました。私の頃は当番を決め世話をしたものですが、今もそうなのでしょうか。
  こんな風景の見える日中、日向に立ち止まれば、眩暈がしそうな強い日射しが、風が通る この道ではそれほどにも感じません。

このまちでは所々の道路脇にひまわりが咲いていました
福島県田村郡大越町牧野小学校

夕の時

  雨の多い、涼しい日の多い今年の夏。めずらしく青空の広がった一日が暮れようとしています。「東の海」から「西の海」へ、太陽とともに移動した「夏の小旅行」もそろそろ終りです。
  
  久しぶりに海の夕焼けをみています。小さな頃から何度も見ているこの光景、ただただ眺めてしまいます。今日の海岸にも夕日を見るために、幾人も来ています。皆 言葉少なく見つめています。
  太陽が海に近くなるにつれ、強かった光も眩しさを弱め、空の色を刻々と変えていきます。砂浜で見ている人たち、海の中では日のあるうちと遊ぶ人たち、変わらぬいつもの夏の夕暮れ風景でした。

夕焼け
時を忘れて 新潟市島見の浜

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